でも、基本的な型が身についていると、行動や思考に自信を持つことができるのです。
私たちは誰でも、「自由に動きたい」と思っています。
ところが、自由が「制限がまったくない」という意味だとしたら、自由になればなるほど動けなくなります。

子どもの頃、作文を書かされましたね。
「なんでもいいから、好きなことを書いてごらん」という自由課題だと、書きにくかったでしょう。
先生がみんなのところを回りながら、なかなか書けないあなたに、「、何でも好きなことを書いていいんだから、
思いついたことをどんどん書けばいいんだ」なんて言う。
よけいに書けなくなりますね。

でも、「今朝食べたご飯の説明を、できるだけ詳しく書いてごらん」と言われたら、どうですか?
今度は書きやすいですね。 枠が与えられたから、
自信をもって動けるようになったのです。
子どもの頃、公園の砂場で遊んだことはありませんか?
じゃあ、たまに親が海水浴に連れていってくれて、
「公園の砂場よりずっと広いだろう」と言われて、
「すごーい」と喜んで遊ぶけれど、気がつくと、
いつもの公園の砂場と変わらない範囲で遊んでいる。

境界線のない砂浜なんて、子どもの手には負えないのです。
せっかく広い砂浜があるのに、「ここからここまでが私の砂場ね」と主張して、
わざと狭く枠を区切って遊んだこともあるかもしれません。
枠がないと不安なのです。
枠があり、型が得られればこそ、自信をもって行動し、思考できるのです。